「お受験」日記、その後。

父親がみた小学校受験を終えた子供の日々

ウソをついてはいけない、という嘘

 お受験の面接の時に「今日の朝ご飯は何を食べましたか?」、「普段、幼稚園にはどうやって行っていますか?」などが聞かれることがあります。御家庭それぞれだと思いますが、朝食がシリアルとバナナや、コンビニのおにぎりだけだったり、幼稚園には遅刻しそうになる度にタクシーで行ったり、現実はそんなところだと思います。

 しかしながら、お受験面接の正答は例えば「ご飯とおみそ汁」、「バスと電車」のように指導されます。あるいは「普段、おうちではどんなことをお手伝いしていますか?」なんて質問が出たりすることもあるようで、全然言うことも聞かずにお手伝いなんてしたことないような場合でも「食後の食器の片づけ」、「洗濯物をたたむ」、「お買い物のお手伝い」などと答えられるようにも指導されました。もちろん、付け焼き刃的に実際にお手伝いをさせて試験の時点では実際にするようにさせるわけですが、子供としては不自然な感じを受けるはずです。お受験が終わってしまえば、「お手伝いしなさい!」などと言われる頻度が極端に減るわけですから。

 面接の練習の時には、「どうやって幼稚園に行ってますか?って聞かれたらバスって答えるのよ」とか「毎日拭き掃除をしています、って答えるのよ」なんて言われるわけで、子供心に「嘘をついている」とわかっているはずです。

 そして無事にめでたく小学校に入学、子供には知恵がつくので隠し事をしたり、嘘をついたりするようになるわけですが、その度に親には「嘘をついたらだめでしょ!絶対に嘘はだめ!」と怒られることになります。

 となると、子供の心の中では「前は嘘をついても良かったのに...」と思うはずです。ここで、子供は「嘘をついていいのか悪いのか」判断に困るはずで、1)疑問を抱きながら嘘をつかないように努力するか、2)ひたすら混乱するか、3)親のこと信じなくなるか、いずれか、あるいはそのすべてになるでしょう。少なくとも、「嘘はついたっていいんでしょ」と開き直れる子供はいないと思います。

 なんとも子供はかわいそうだなぁと思いますが、そのうち「嘘も方便」とか「ついていい嘘と悪い嘘がある」などといった「概念」を子供が知ることによって「ウソをついてはいけない、という嘘」を「消化」するようになるんだろうとは思います。

 とはいえ、やはり子供に対して頭ごなしに「ウソをついてはダメ!」と怒るのは止めた方がいい、と思います。でなければ、親が嘘つき、ということになってしまうからです。日常で嘘をついたことは一切ない、なんて人はいないのではないでしょうか。